倉敷美観地区にある、抹茶体験スポットを紹介!サロンでは、茶室体験や呈茶席で気軽にお抹茶を楽しめ、1日1組限定で宿泊も可能!
2024.09.04倉敷美観地区に、気軽に抹茶体験ができるサロンがあります。予約制の本格的な「茶室体験」や、予約不要でテーブルと椅子で抹茶とお菓子を楽しむ「呈茶席」を選べます。茶道の精神である「一期一会」を体験し、お茶を点てるホストとゲストの心のつながりを感じることができます。また、サロンの2階は1日1組限定の宿泊施設になっており、静かな倉敷滞在を楽しめます。
茶道体験サロン「月と花 Japanese Tea ceremony salon」
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2023年4月にオープンした倉敷美観地区の抹茶体験サロン「月と花 Japanese Tea ceremony salon」を訪れました。ここでは、倉敷の町家の雰囲気の中で抹茶を楽しみ、本格的な作法も体験できます。美観地区の中心部から少し離れた静かな住宅街にあります。JR倉敷駅からも徒歩圏内で、外国人観光客も多く訪れます。
本格的な茶室で体験
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サロン内には本格的な茶室とテーブル席があります。和室には茶釜があり、床の間には季節の花が飾られています。事前予約時に、長めのスカートかパンツ、靴下の持参を勧められたので、長めのワンピースで訪れました。長い髪は邪魔になるため、まとめるのがおすすめです。
まずは白湯でお清め
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最初にテーブル席で白湯が出されます。鉄器で温めた白湯は鉄分が豊富です。これで心身を落ち着かせてから、本格的な「茶室体験」が始まります。
入室の作法
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表千家講師の牧野宗眞先生の指導で、お茶を点てていただきます。和室に入る際のお辞儀から始まり、茶道の世界に入ります。
一期一会
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茶室では誰もが平等という考えがあります。「一期一会」とは、各茶会を生涯に一度の出会いと考え、主客ともに誠意を尽くすべきという意味です。これらの考えが茶道の基本にあり、作法はその表現です。
和菓子を先に頂きます
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牧野先生がお茶を点てている間に、和菓子を先に頂きます。夏にぴったりの爽やかなデザインの和菓子は、御菓子処清邦庵(矢掛町)の練り切り饅頭で、程よい甘さでした。岡山県らしく、備前焼の皿で提供されます。
お点前見本
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私が和菓子を頂いている間に、牧野先生がお抹茶を点ててくださいました。お道具の説明を聞きながら、季節に合わせた配慮(夏は風炉、冬は畳の炉)や、涼しげな倉敷ガラスの使用など、茶道の「おもてなし」の心を感じました。
お抹茶を点てる
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今回のお抹茶は、京都の福寿園のものでした。外国人観光客にも人気だそうです。お茶を点てる音が静かな和室に心地よく響きました。
お抹茶を頂きます
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先生が点てたお抹茶を自分の席まで運びます。これにも作法があり、周りの人に背を向けないよう注意します。簡単に見える動作でも実践は難しく、おもてなしの奥深さを感じました。
茶道体験①
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いよいよ茶道体験の時が来ました。一度だけお手本を見ただけでは不安でしたが、先生が隣に座って指導してくださるので安心です。畳の真ん中、お道具の前に正座します。そして、柄杓を使ってお湯を半分ほどすくい、そのまま置いてあるお茶碗にすくったお湯を全て注ぎます。これが茶道体験の最初の一歩です。
茶道体験②
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お茶碗を両手で持ち、ゆっくりと回転させながらお湯で温めていきます。お茶碗全体が均等に温まるよう、丁寧に行います。温め終わったら、お湯を別の器に捨てます。その後、先生が清潔な布を渡してくださり、お茶碗の内側と外側を丁寧に拭きます。この過程で、お茶碗が適温になります。
茶道体験③
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左手で抹茶の入った棗(なつめ)を持ち上げます。右手で蓋を慎重に開け、蓋を伏せた状態で脇に置きます。茶杓(ちゃしゃく)を使って抹茶の粉を2杓(しゃく)分、お茶碗に入れます。次に、「タテタテヨコヨコ」と言われる動作で茶杓を使って抹茶をならします。これは縦と横に軽く抹茶を整える動作です。最後に、茶杓でお茶碗の縁を軽く「コンコン」と叩いて余分な抹茶を落とします。作業を終えたら、右手で棗の蓋を閉めて元の位置に戻します。この一連の動作は、先生が隣で丁寧に指導してくださるので、初心者でも安心して行えます。
茶道体験④
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お抹茶の粉の入ったお茶碗に柄杓の3分の1のお湯を注ぎます。
茶道体験⑤
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左手でお茶碗をしっかりと支え、右手に持った茶筅(ちゃせん)を使ってお抹茶を混ぜ始めます。まず前後に、次に横に動かして抹茶と湯を均一に混ぜていきます。この時、茶筅が作り出すシャカシャカという心地よい音を楽しみます。抹茶が十分に混ざったら、仕上げとして「の」の字を描くように茶筅を動かします。最後に、手前から茶筅をゆっくりと引き上げ、お茶の表面を整えます。この一連の動作で、滑らかで泡立ちの良いお抹茶が完成します。
茶道体験⑥
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いよいよ自分で点てたお抹茶を味わう瞬間が訪れます。お茶碗を両手で持ち、正面の絵柄を避けるように少し回転させます。これは絵柄を大切にする作法の一つです。お抹茶を一気に飲み干すのではなく、数回に分けてゆっくりと味わいます。最後の一口は、茶道の作法に従い、軽く音を立てて飲み干します。この音は「ごちそうさま」の意を表す合図となります。自分で点てたお抹茶ですが、予想以上に美味しく、その香りと味わいに感動します。茶道の奥深さと、一杯のお茶に込められた心遣いを実感する瞬間です。
茶道体験⑦
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飲み干した後は、右手でお茶碗の口元を拭き、向きを元に戻して置きます。これで一旦終了です。
茶道体験⑧
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お客様にお抹茶を出す作法も教わりました。二人で予約すると、お互いに亭主と客の役割を体験できるそうです。まず、お茶碗を左手で持ち、それを右手に持ち替えます。次に、先生の方に体を向け、再び左手でお茶碗を取ります。そして、お茶碗の絵柄が先生の正面に来るように置きます。
先生がお茶を飲み終わると、「ごちそうさまでした」とあいさつをして、作法が終了します。
この一連の動作には深い意味があります。絵柄を相手の正面に向けるのは、最も美しい部分をお客様に見せる配慮です。一方、飲む人は絵柄を避けて口をつけます。これは、お茶碗の最も大切な部分を汚さないようにする思いやりの表現です。
このように、茶道の作法には、お互いを思いやる心が細部にまで表れています。単なる形式ではなく、相手を尊重する精神が込められていることを実感しました。
【月と花 Japanese Tea ceremony salon】
所在地:岡山県倉敷市阿知2-16-11
TEL:086-421-0767
営業時間:12:00~17:00
定休日:月曜日、第2、4日曜日(不定休あり)
茶道体験:1人5,000円~呈茶席(カフェスタイル):1人1,500円~
駐車場:なし
月と花 Japanese Tea ceremony salon|Instagram
1日1組の宿泊施設「月と花」
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サロンの2階は宿泊施設となっており、1日1組限定で利用できます。JR倉敷駅から徒歩約5分の場所にあり、倉敷美観地区にも近接しています。この立地は、家族連れやグループでの宿泊に適しています。宿泊スペースには和室エリアが含まれており、広々とした空間がホテルよりも開放感がありました。宿泊は素泊まりですが、周辺には多くの飲食店があるため、食事に困ることはありません。また、到着時にはお抹茶とお菓子のウェルカムサービスがあります!
水回りも充実
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近くのお店でテイクアウトした料理を持ち込んだり、簡単な調理ができるように、水回りが充実していました。コーヒーやドリンクも厳選されたものが揃っています。
快適なお風呂
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トイレ、バスは部屋と別にあり、階段には小さなお子様が危なくないように落下防止サークルも設置されています。
※宿泊予約は「じゃらん」から可能です。